当院は仙台市高齢者インフルエンザ予防接種登録医療機関です。詳しくはこちら
インフルエンザは、日本では例年12月~翌3月頃に流行するとされ、毎年10月頃からインフルエンザワクチンの接種が始まります。
インフルエンザの予防対策としては、こまめな手洗いやうがい、マスクの着用などいくつかありますが、その中でも有効とされているのがインフルエンザワクチンの接種です。同ワクチンは、接種後に効力を発揮するまでに2週間程度かかります。そのため、流行のピークを迎える1月の2週間程度前となる12月中旬までに接種を終えることも重要です。
またインフルエンザワクチンは年齢によって接種回数が異なり、13歳未満のお子さまの場合は計2回、13歳以上の場合は1回の接種になります。2回目の接種を受ける場合は、1回目の接種から2~4週間程度の間隔を空ける必要があります。
なお同ワクチンの有効持続期間は約5ヵ月となっています。そのため、継続的に予防したいという場合は毎年接種するようにしてください。
風疹予防のために行われるワクチン接種のことで、現在は麻疹風疹混合のMRワクチンを接種するのが一般的です。2000年4月2日生まれの世代から、小児の定期接種において計2回の接種を行うようになりました。それ以前に生まれた方ですと、1回の接種か、世代によっては1回も接種を受けたことがない方もいらっしゃいます。
風疹は三日ばしかと呼ばれるもので、子どもの頃に発症する方が多いです。成人してから発症すると症状が重くなりやすく、なかでも妊娠中の女性(特に妊娠20週まで)が感染すると、胎児に感染し、先天的な心疾患や難聴、白内障などの病気を持って生まれることがあります。
上記のようなリスクを避けるためにも、風疹ワクチンを1回しか受けたことがない、または1度も受けたことがない方で、将来的にお子さまを授かりたいと考えている女性は早めに接種されることをお勧めします。ただし、妊娠中は同ワクチンを接種できませんので、早めの接種を心がけてください。また、妊婦の方と同居しているご家族も接種するようにしてください。
帯状疱疹ワクチンは、加齢や免疫力の低下によって発症リスクが高まる帯状疱疹を予防するためのワクチンです。帯状疱疹は、子どもの頃に感染した水ぼうそうウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が再活性化することで引き起こされます。強い痛みを伴い、場合によっては帯状疱疹後神経痛という後遺症を残すことがあります。
当院は、仙台市高齢者肺炎球菌予防接種登録医療機関です。詳しくはこちら
肺炎球菌は、肺炎をはじめ、中耳炎や敗血症など重篤な感染症を引き起こす細菌です。特に免疫力の低下した高齢者や基礎疾患をお持ちの方では、肺炎のリスクが高まります。肺炎球菌ワクチンは、65歳以上の方や60歳以上で心臓、腎臓、呼吸器の基礎疾患をお持ちの方に推奨されています。
A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)によって引き起こされる感染症です。主に、ウイルスが汚染された飲食物を介して感染します。発症すると、発熱、倦怠感、吐き気、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる)などの症状が現れます。多くの場合、数週間から数ヶ月で自然に回復しますが、稀に重症化することもあります。
ワクチンは、初回接種後6〜12か月の間に2回目を接種するスケジュールで行われます。予防効果は高く、接種後の長期的な免疫も期待できます。特に、海外旅行やリスクの高い地域に渡航予定の方には推奨されています。
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)による感染症で、血液や体液を介して感染します。中でも、母子感染や性的接触による感染が多いです。急性のB型肝炎では、発熱、倦怠感、食欲不振、腹痛、黄疸などがみられます。慢性化する場合もあり、長期的には肝硬変や肝がんのリスクを高めることがあります。
ワクチンは、通常3回接種のスケジュールで行われ、初回接種後、1か月後に2回目、6か月後に3回目の接種が行われます。ワクチンは感染を防ぐだけでなく、B型肝炎による慢性肝炎や肝がんのリスクを低減します。特に、医療従事者や感染リスクが高い職種の方は必ず接種するようにしてください。
破傷風は、破傷風菌が傷口から侵入し、神経に作用する毒素を産生することで起こります。主に、菌が傷口から体内に侵入することで感染し、初期症状には嚥下困難や顎のこわばりがあります。進行すると全身の筋肉が強く収縮し、生命に関わる重症になることもあります。
破傷風菌は自然環境に広く存在するため、予防接種が重要です。破傷風菌の毒素を無毒化した成分を用いたワクチンで、体内に抗体を作ることで感染を防ぎます。通常3回接種が基本で、初回接種後1か月後に2回目、さらに6か月後に3回目を接種します。効果は時間とともに弱まるため、10年ごとの追加接種が推奨されています。
当院は、HPVワクチン定期接種登録医療機関です。詳しくはこちら
子宮頸がんを予防するためのワクチンで、子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することで発症することから、HPVワクチンとも呼ばれます。
同ワクチンは、小学6年生~高校1年生の年齢に相当する女子を対象とした定期予防接種です。対象の方については全額公費負担となります。子宮頸がんワクチンには、3種類のワクチン(サーバリックス、ガーダシル、シルガード9)がありますので、事前にどのワクチンを接種するか決める必要があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
子宮頸がんの原因となるHPVは約30種類あるとされていますが、日本では16型、18型(ハイリスク型)の2つのタイプによって引き起こされるものが6割以上を占めています。その16型と18型を予防するとされているのがサーバリックスです。接種回数は計3回です。接種間隔は、初回の接種から1か月後に2回目、初回の接種から6か月後に3回目を打ちます。
子宮頸がんを発症させやすいとされるHPV16型、18型だけでなく、尖圭コンジローマの原因となる6型、11型についても予防効果があるとされるワクチンです。接種回数は計3回です。接種間隔は、初回の接種から2ヵ月後に2回目、初回の接種から6ヵ月後に3回目を打ちます。
上記のガーダシルで予防できる型を含め、16型、18型と同様にハイリスク型とされる31型、33型、45型、52型、58型のHPVにも効果があるとされているワクチンです。2価(サーバリックス)と4価(ガーダシル)のワクチンは、子宮頸がんの原因となる型の50~70%を防ぐのに対し、9価(シルガード9)は80~90%を防ぐとされ、高い予防効果が期待できます。接種回数と接種間隔は、初回接種を何歳で受けたかによって異なります。15歳になるまでに初回接種を行った場合は計2回で、初回の接種から6ヵ月後に2回目を打ちます。一方で、初回の接種が15歳を過ぎている場合は、計3回の接種で、初回接種の2ヵ月後に2回目、初回接種の6ヵ月後に3回目を打つことになります。
子宮頸がんワクチンを接種すると、種類に関係なく、注射部位に発赤、腫脹、疼痛などがみられるようになります。このほか全身症状として、頭痛、発熱、筋肉痛、関節痛、失神などが現れることもあります。
また、可能性としては非常にまれですが、接種することで重度の健康被害が生じることもあります。これは同ワクチンに限ったことではありません。日常生活に支障が及ぶような場合は、予防接種健康被害救済制度という制度があります。詳細は、厚生労働省の公式サイトをご覧ください。